腱板損傷(腱板断裂)の原因と鍼治療|福岡市中央区薬院の鍼灸院|吉村治療院

福岡市中央区薬院|鍼・マッサージ 吉村治療院

「腱板損傷」と言われた方へ。
五十肩だと思っていませんでしたか

腱板損傷は40代以降、特に60代でピークを迎えるといわれる肩の疾患です。「四十肩・五十肩」という言葉はあっても「六十肩・七十肩」という言葉があまり使われないのは、この年代になると腱板損傷そのものが増えてくるからだといわれています。「五十肩だと思って様子を見ていたら、実は腱板が傷んでいた」というケースを数多く診てきました。

肩の前側を押さえて痛みを訴える男性。腱板損傷(腱板断裂)の症状を表したイメージ。福岡市中央区 吉村治療院
腕を上げると肩が痛い、夜間痛で眠れない……。腱板損傷(腱板断裂)は五十肩と間違われやすい肩の疾患です。

こんな症状はありませんか

  • 腕を横から上げる途中で強く痛む、洗濯物を干す動作がつらい
  • 夜、痛む方の肩を下にすると痛みで目が覚める
  • 背中に手を回す、下着のホックを留める動作がしにくい
  • 肩に力が入りにくい、腕が上がりきらない

これらに心当たりがある場合、一度医療機関での画像検査(MRIやエコー)を受けておくことをおすすめします。断裂の有無や程度を把握したうえで、当院での施術を検討いただくのが安全な進め方です。

腱板損傷(腱板断裂)とは

肩関節には「腱板(けんばん)」と呼ばれる、4つの筋肉の腱が集まってできた構造があります。

  • 棘上筋(きょくじょうきん)
  • 棘下筋(きょくかきん)
  • 小円筋(しょうえんきん)
  • 肩甲下筋(けんこうかきん)

この4つの腱板は、腕の骨(上腕骨頭)を肩甲骨の受け皿にしっかりと引き寄せながら、腕を上げる・回すといった動きを支えています。いわば肩関節の「インナーマッスル」です。加齢による腱の変性、繰り返しの負担、転倒などの外傷によってこの腱板が傷ついたり、部分的・完全に断裂した状態を「腱板損傷(腱板断裂)」と呼びます。

腱板損傷と五十肩、何が違うのか

腱板損傷と五十肩(肩関節周囲炎)は症状が似ているため混同されやすいのですが、中身は異なります。五十肩は関節包の炎症や癒着によって関節そのものが硬くなり、動かせる範囲が狭くなっていく状態です。多くの場合、時間の経過とともに自然に改善していきます。

一方、腱板損傷は腱そのものの断裂・損傷が主体で、自然に修復されることは基本的にありません。放置すると、痛みをかばう動きが続くことで周囲の筋肉が萎縮したり、関節が硬くなる拘縮を招くこともあります。

簡単な見分け方の目安

腕を自力で真横から上げられるかどうか(腱板損傷では途中で腕が上がらなくなったり、痛みで急に力が抜けることがあります)。誰かに腕を持ち上げてもらった状態から、自分でゆっくり下ろせるかどうか(下ろす途中でストンと落ちてしまう場合は、腱板の損傷が疑われます)。ただしこれらはあくまで目安であり、確定診断には画像検査が必要です。自己判断で済ませず、気になる場合は整形外科を受診したうえで、当院にご相談いただくことをおすすめしています。

インピンジメント症候群との違い

腱板損傷(腱板断裂)と混同されやすい疾患に「インピンジメント症候群」があります。インピンジメント症候群は、腱板が肩峰などの骨に挟まれて炎症を起こしている状態で、必ずしも断裂しているわけではありません。一方、腱板損傷は腱そのものに傷や断裂が起きている状態です。両者は症状が似ていますが治療方針が異なるため、画像検査による評価が重要になります。

画像所見と症状は、必ずしも一致しません

MRIでは、60歳以上になると症状がなくても腱板断裂が見つかる方が一定数いることが報告されています。つまり、画像上で断裂が見つかったからといって、それがそのまま痛みの原因とは限らないということです。

当院が「腱板だけを診ていても改善しない」とお伝えしているのも、この画像所見だけでは症状を説明しきれないケースがあるという臨床上の実感に基づいています。だからこそ、画像だけで判断するのではなく、実際の身体の動きや筋肉の状態、姿勢まで含めて評価することが大切だと考えています。

手術は必要なのか

腱板損傷と聞くと、多くの方がまず気になるのが「手術が必要かどうか」だと思います。腱板損傷=必ず手術というわけではありません。部分断裂であったり、日常生活への影響が少ない場合には、保存療法が選択されることも多くあります。

一方で、以下のようなケースでは手術が勧められることもあります。

  • 完全断裂
  • 若年者
  • 筋力低下が強い
  • 外傷による断裂

まずは整形外科で画像検査を受け、医師と相談したうえで治療方針を決めることが大切です。当院では、その方針決定のサポートや、保存療法を選ばれた場合・手術後のリハビリ期における身体づくりのお手伝いをしています。

腱板だけを診ていても、改善しない理由

当院では、腱板損傷を「穴の空いたバケツ」に例えてお伝えしています。バケツ(身体)に開いた穴(損傷した腱板)だけを塞ごうとしても、バケツを支える土台が傾いていれば、水はまた別の場所からあふれ出します。腱板は結果として傷ついているだけで、その背景には次のような土台の崩れが隠れていることが多くあります。

  • 猫背・ストレートネックによる肩甲骨の位置異常
  • 巻き肩による腱板への慢性的な負担
  • 胸郭の硬さによる肩甲骨の可動域低下
  • 肩甲骨まわりの筋肉の機能低下

これらを放置したまま腱板だけにアプローチしても、痛みが再発しやすい、あるいは改善が頭打ちになるケースが少なくありません。腱板損傷における「穴」の正体は、突き詰めると肩甲上腕関節(肩甲骨と上腕骨をつなぐ関節)のアライメント不良です。このアライメントが崩れたままでは、マッサージや電気治療で表面的に筋肉をほぐしても、腱板にかかり続けるストレスの根本原因は解消されないため、なかなか回復が見込めません。バケツの穴を塞がずに水を注ぎ続けているのと同じ状態です。

また、腱板損傷では棘上筋・棘下筋・小円筋のほか、三角筋・広背筋・大胸筋・小胸筋・僧帽筋・斜角筋などにトリガーポイント(筋肉のこり・過敏点)が生じ、その関連痛によって肩全体が痛むように感じられていることも多くあります。痛みの発信源が、必ずしも「断裂している場所そのもの」とは限らないのです。

アライメントの崩れが、腱板にストレスを与える

腱板損傷の改善に重要となるのは、肩甲骨と上腕骨を含めた身体全体のアライメント(配列)です。肩の症状だからといって、原因が肩だけに限られているとは限りません。実際には、重心の位置や骨盤の傾きといった、肩から離れた場所のアライメント不良が引き金になっているケースが多くあります。

骨盤後傾 → 背中が丸まる(円背) → 肩甲骨が外転・回転 → 巻き肩 → 上腕骨の内旋

このように、重心・骨盤という身体の土台のズレが、背中の丸まり、肩甲骨の外転・巻き肩へと連鎖し、最終的に患部である肩関節にまで影響を及ぼしていきます。このとき本来のポジションから肩甲上腕関節がずれてしまうことで、この関節をまたいで走行している腱板の筋肉群に、常態的なストレスがかかり続けます。腱板そのものに問題がなくても、この関節のポジション異常が続く限り、腱板は慢性的に引っ張られたり、圧迫されたりする状態に置かれてしまうのです。当院では、姿勢・アライメントを整えるアプローチと、患部(腱板そのもの)へ直接アプローチする施術を並行して行うことを大切にしています。

棘上筋へのアプローチに、鍼治療が有効な理由

4つの腱板筋の中でも、特にダメージを受けやすいのが棘上筋です。棘上筋は腱の走行がほぼ垂直方向にあるため、腕を上げ下げする動作のたびに他の腱板筋よりも大きな負荷がかかりやすい構造になっています。

ただし、棘上筋は肩甲骨の棘上窩(肩甲骨の上側のくぼみ)に位置し、僧帽筋などの深層にあるため、指圧やマッサージでは十分に届きにくい筋肉です。当院では、肩関節のポジションを工夫しながら鍼を刺入することで、棘上筋に直接アプローチすることができます。手技では届きにくい深部の筋肉に、狙って刺激を届けられることが鍼治療の強みであり、腱板損傷に対して鍼治療が有効なケースが多い理由のひとつです。

スマホ・VDT作業も、腱板の慢性的な負担になっています

腱板損傷というと、スポーツや重労働、加齢によるものというイメージが強いかもしれません。しかし、現代では長時間のスマートフォン操作やVDT作業(パソコンでのデスクワーク)も、腱板への見過ごされがちな負担になっています。スマートフォン自体は軽量化が進んでいますが、腕を持ち上げた状態を長時間キープする姿勢そのものが、回旋筋腱板(腱板を構成する筋肉群)を持続的に緊張させます。この緊張が習慣として積み重なっていくことで、ご本人が自覚しないまま腱板に負担が蓄積していきます。

臨床の現場でお話をうかがっていると、スマホの使用時間が長い方ほど、この負担が大きく影響しているという実感があります。「まさかスマホの持ち方が肩の症状に関係しているとは思わなかった」という方も少なくありません。日常的な使用時間や持ち方も、腱板損傷の背景として見直していただきたいポイントのひとつです。

「刺激」と「材料」、両方からのアプローチ

腱や筋肉の修復には、施術による「刺激」と、身体の中にある「材料」の両方が必要です。当院ではトリガーポイント鍼治療を用いて、筋肉の深部にまでアプローチし、痛みの軽減・血流改善・可動域の改善を促す「刺激」を提供しています。

同時に、腱や筋肉を修復するための「材料」となる栄養素(タンパク質・ビタミンC・鉄・亜鉛・マグネシウムなど)が不足していないかも重要な視点です。施術だけに頼るのではなく、身体の内側から回復しやすい環境を整えることが、根本的な改善につながります。

改善には3ヶ月・8回を目安に

腱板まわりの慢性的な負担や、それを支える姿勢・骨格のクセは、一度の施術で変わるものではありません。当院では、身体の変化を実感していただきやすい目安として「3ヶ月・8回」の施術ペースをご提案しています。これは、筋肉や関節の使い方のクセが定着し直すまでに一定の期間が必要であることと、痛みが軽減した後も土台となる姿勢・骨格を安定させる期間を見込んだものです。

ご自宅で気をつけていただきたいこと

  • 痛みを我慢して腕を上げ続ける動作は避ける
  • 重い荷物を痛む方の腕で持ち上げない
  • タンパク質を意識した食事を心がける

とくに夜間痛でお困りの方には、寝るときの肩のポジションを工夫することをおすすめしています。痛む方の肩を下にして横向きに寝ると、体重で腱板が圧迫され、痛みで目が覚めやすくなります。おすすめは、痛む方の肩を上にして横向きに寝て、ボリュームのある抱き枕やクッションを腕の下に挟む方法です。

このとき目安になるのが「ゼロポジション」です。これは、腱板を構成する筋肉(回旋筋腱板)の緊張がもっとも少なくなる腕の角度のことで、腕を斜め上・やや前方に伸ばしたような姿勢に近くなります。抱き枕を使って腕をこのゼロポジションに近い状態で支えてあげると、腱板への負担が少ない、楽な姿勢で眠りやすくなります。無理に動かして痛みを我慢することは、かえって周囲の筋肉の緊張を強め、回復を遅らせることがあります。

福岡市中央区で腱板損傷にお悩みの方へ

  • 腱板損傷と言われた
  • 手術を勧められている、あるいは迷っている
  • リハビリだけではなかなか改善しない
  • 夜間痛で眠れない日が続いている
  • 腕が上がらない、力が入らない
  • 肩だけでなく身体全体から根本改善を目指したい

このような方は、お気軽にご相談ください。痛みがある場所だけが原因とは限りません。肩だけを見るのではなく、身体全体のつながりを評価し、「刺激」と「材料」の両面から、あなた自身が本来持っている回復する力を引き出すこと。それが吉村治療院の考える腱板損傷への施術です。

鍼・マッサージ 吉村治療院 院長 吉村大樹

監修者

吉村 大樹

株式会社LITA GROUP 代表/鍼・マッサージ 吉村治療院 院長
国家資格(鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師)|臨床24年
一般社団法人 日本線維筋痛症・慢性痛学会 診療ネットワーク参加施設(同学会公開情報による・2026年10月確認)

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