うつ・気分の落ち込みと栄養の関係

うつ・パニックと栄養の関係

うつやパニック症状というと、
「心の問題」「精神的なもの」と捉えられることが多いかもしれません。

しかし、臨床の現場に立っていると、それだけでは説明がつかないケースに数多く出会います。

気分の落ち込みや不安感といった状態も、身体の状態、特に栄養の影響を受けている可能性がある――
そのような視点から、このページではお話ししていきます。


食べ物と健康は切り離せないという考え方

古来中国には、
「医食同源(いしょくどうげん)」
という言葉があります。

また、
「食事で治せない病気は、医者でも治せない」
という言い回しもあります。

これらは、
食べ物(栄養)が健康の土台であり、
治療や医療の前提条件であることを示した言葉です。

現代においてもこの考え方は色あせることなく、
むしろ 慢性的な不調が増えている今だからこそ、見直す必要がある視点 だと感じています。


うつ・パニックは「心の弱さ」なのでしょうか?

気分の落ち込み、不安感、
理由のわからない動悸や息苦しさ、パニック症状。

これらの症状が続くと、

  • 気持ちの問題
  • 性格の問題
  • ストレス耐性の低さ

と捉えられてしまうことがあります。

しかし臨床の現場では、
心の問題だけでは説明がつかないケース を数多く目にします。


脳も体の一部|感情は「物質」によって支えられている

脳は感情や思考を司る器官ですが、
同時に 体の一部である「臓器」 でもあります。

脳の働きは、

  • 血流
  • 酸素供給
  • 神経伝達物質
  • エネルギー代謝

といった 身体的・物質的な要素 によって支えられています。


神経伝達物質の材料はタンパク質とミネラル

気分の安定や安心感に関わる神経伝達物質には、

  • セロトニン
  • ドーパミン
  • ノルアドレナリン
  • GABA

などがあります。

これらはすべて、
アミノ酸(=タンパク質)を材料として体内で合成 されます。

さらに、その合成過程では
鉄・亜鉛・ビタミンB群などのミネラル・ビタミン も不可欠です。


うつ・パニックと「鉄不足」という視点

近年、
うつ症状やパニック症状の背景に「鉄」や「タンパク質」が不足が関与しているケース が注目されています。

鉄は、

  • 酸素を運ぶヘモグロビンの材料
  • 神経伝達物質の合成に関与
  • 脳のエネルギー代謝を支える

といった重要な役割を担っています。

そのため鉄が不足すると、

  • 脳が慢性的な酸欠状態になる
  • 神経伝達物質が十分に作れない
  • 不安感・抑うつ・動悸が出やすくなる

といった状態につながる可能性があります。


栄養療法の分野で語られている知見

栄養と心身の関係については、
医師の立場からも多くの知見が示されています。

例えば、藤川徳美医師は、
著書の中で 鉄不足やタンパク質不足が、うつやパニックを含む様々な不調に関与している可能性 について言及されています。

ここで大切なのは、

「栄養だけで全てが解決する」と断定することではなく、栄養を無視したままでは回復が難しいケースがある
という視点です。


施術で巡りを整えても、材料が不足していれば回復は進みにくい

当院では、鍼治療やマッサージによって

  • 血流
  • 神経の働き
  • 筋肉の緊張

を整える施術を行っています。

しかし、どれほど巡りを改善しても、
その先で使われる材料(タンパク質・鉄・ミネラル)が不足していれば、回復は空回り してしまいます。

これは、身体だけでなく 脳や神経においても同じ です。


回復を妨げる生活習慣にも目を向ける

うつ・パニック症状を抱えている方の中には、

  • 高糖質・低タンパク質の食事
  • 加工食品中心の生活
  • 喫煙
  • 毎日の飲酒

といった習慣が重なっているケースも少なくありません。

これらは、

  • 鉄やビタミンの消耗
  • 神経系への負担
  • 回復力の低下

につながる要因となります。


当院が大切にしている考え方

当院では、

  • うつ・パニックは栄養だけで治る
  • 施術だけで改善する

とは考えていません。

しかし、

体の材料が不足した状態で、心身の回復を語ることはできない
とも考えています。


回復を支える3つの柱

  • 鍼・マッサージで「巡り」を整える
  • 栄養で「材料」を補う
  • 生活習慣で「負担」を減らす

この3つを同時に見直すことが、
回復力を取り戻す土台になると考えています。


まとめ|うつ・パニックを「体の状態」からも見直す

うつやパニック症状は、
非常に複雑で個人差の大きい状態です。

しかし、

  • 医食同源という考え方
  • 脳も体の一部であるという事実
  • 神経や感情にも材料が必要であること

これらを踏まえると、
栄養という視点は欠かせない要素 だと感じています。

このページが、
ご自身の体調や生活習慣を見直す
一つのきっかけになれば幸いです。


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