鍼治療（整体治療）に「継続」が必要な理由とは？

2025年5月15日2025年5月16日

　慢性腰痛や肩こり、神経痛などの不調に対して、鍼灸や整体による施術はとても有効です。しかし、初回の施術で効果を実感されても、「1回で治った」と思ってすぐに通院をやめてしまう方も少なくありません。
またその逆に、思うような効果を感じられず針が効かなかったと通院をやめてしまうパターンもあります。

実は、慢性の痛みを本質的に改善するためには「継続的な治療」が必要不可欠です。

その理由を、人間の細胞の更新サイクルから説明してみましょう。

　人の体では毎日1兆個以上の細胞が新しく生まれ変わっています。しかし、筋肉や皮膚、神経などの「組織」によって更新スピードは異なります。

例えば、皮膚は約1ヶ月で生まれ変わりますが、筋肉や靭帯などの修復には数ヶ月〜半年かかることもあります。また、脳や神経細胞はもっと時間がかかり、長いものでは1年以上かかるのです。

　長引く腰痛などは、単なる筋肉の炎症ではなく、脳や神経系が痛みを記憶して過敏になっている状態（中枢性感作）が関わっています。この神経の状態をリセットし、本来のバランスに戻すには、「一定期間の刺激と学習（神経可塑性）」が必要です。

◆施術は「リハビリ」と同じ。定期的な継続が鍵。

鍼や整体は、血流促進、筋肉の緊張緩和、自律神経の調整を通じて、体を「正しい状態」へと導きます。ですが、一度の施術だけでは体の癖や神経の記憶は変わりません。

そのため、数ヶ月単位の継続施術を通じて「細胞の生まれ変わり」と「神経の再学習」を促すことが大切なのです。