円形脱毛症・脱毛症と栄養の関係

― 髪は、体の「余力」と回復力を映すサイン ―


円形脱毛症・脱毛症とは?

円形脱毛症やびまん性脱毛症は、
年齢や性別を問わず、突然起こることのある脱毛症状です。

  • 急に円形に髪が抜ける
  • 全体的に髪が薄くなる
  • 抜け毛が増え、髪にハリやコシがなくなる

一般的には、

  • 自己免疫
  • ストレス
  • ホルモンバランス

などが原因として語られることが多い症状です。


髪は「命にとって優先順位の低い組織」

髪の毛は、体にとって
今すぐ命を守るために必要な組織ではありません。

そのため体は、

  • 栄養
  • エネルギー
  • 回復力

が不足すると、
まず 髪への供給を後回し にします。

脱毛は、
体が生きるために選択した結果として
現れている可能性もあるのです。


タンパク質不足という見落とされがちな視点

髪の主成分は ケラチン というタンパク質です。

しかしタンパク質は、

  • 血液
  • 神経
  • ホルモン
  • 免疫
  • 酵素

といった、体の働きの土台となる材料でもあります。

体を維持するためのタンパク質が不足している状態では、
髪にまで十分な材料が回らないのは自然なことです。


鉄不足と脱毛の関係

鉄は、血液中で酸素を運ぶ重要なミネラルです。

鉄が不足すると、

  • 頭皮の血流低下
  • 毛根への酸素供給不足
  • 細胞分裂の低下

が起こりやすくなります。

特に女性は、

  • 月経
  • 妊娠・出産
  • 食事量の低下

などにより、
自覚のない鉄不足に陥りやすい傾向があります。


亜鉛不足と髪のトラブルの関係

亜鉛は、髪の成長と修復に深く関わるミネラルです。

具体的には、

  • タンパク質を髪の材料(ケラチン)へ合成する
  • 細胞分裂をサポートする
  • 皮膚や粘膜の修復を助ける

といった働きを担っています。

亜鉛が不足すると、

  • 髪が細くなる
  • 抜け毛が増える
  • 髪の成長が遅くなる

といった変化が現れることがあります。


亜鉛は「単体」で補えばよい栄養素ではない

ここで大切なのは、
亜鉛だけを摂ればよいわけではないという点です。

亜鉛は、

  • タンパク質
  • ビタミン類

といった栄養素が土台として整っていて、
はじめて本来の働きを発揮します。

タンパク質が不足している状態では、
亜鉛を補っても
髪を作る材料そのものが足りないため、
十分に活かされないケースも少なくありません。


現代の食生活で起こりやすい「質的栄養不足」

現代では、

  • 加工食品が多い
  • 食事量が少ない
  • 肉や魚を控えている

といった背景から、

量は食べていても
体を作る材料が足りていない状態
(質的栄養不足)が起こりやすくなっています。

これは、

  • 皮膚
  • 免疫
  • メンタル

といった部分に、
まずサインとして現れやすい傾向があります。


髪の問題は「頭皮」だけの問題ではない

脱毛というと、
頭皮や毛根だけに目が向きがちですが、
当院では 体全体の状態 を重視しています。

  • 冷え
  • 疲れやすさ
  • 睡眠の質
  • 気分の落ち込み
  • 自律神経の乱れ

こうした不調が重なった結果として、
髪のトラブルが現れているケースも少なくありません。


鍼治療と栄養という2つの視点

当院では、円形脱毛症・脱毛症に対して、

  • 鍼治療による血流・自律神経へのアプローチ
  • 頭皮だけでなく全身の状態を整える施術

を行うと同時に、
体を作り、回復させる材料としての栄養
という視点を大切にしています。

血流を良くしても、
そこを流れる血液の「質」が整っていなければ、
十分な回復は望めません。


実際にあった一つのエピソード

多発性円形脱毛症で来院された女性が、
鍼治療と栄養の見直しを継続され、
約1年ほどで髪が無事に回復されたケースがあります。

その方は並行して医療機関で不妊治療も受けていましたが、
なかなか結果が出ない状況が続いていました。

しかし、髪の回復とほぼ同じ時期に、
妊娠・出産を迎えられました。

真実は誰にも分かりませんが、
髪のために始めたケアが、結果として体全体を整えた
そのように感じさせられた、忘れられない出来事です。

※その方は40代前半での初産でした。


髪は、体の回復力を映す鏡

髪は、

  • 体に余力があるか
  • 回復にエネルギーを回せているか

を映し出す、
体からの大切なメッセージでもあります。

脱毛を「髪だけの問題」として捉えるのではなく、
体全体を見直すきっかけとして受け止めることが、
回復への第一歩になることもあります。


当院の考え方

当院では、

  • 鍼治療による外側からのサポート
  • 体を作る材料としての栄養

この両方がそろってこそ、
本来の回復力が発揮されると考えています。

必要に応じて、
日常生活や栄養の考え方についてもお伝えしています。


まとめ

円形脱毛症・脱毛症は、

  • ストレス
  • 免疫
  • ホルモン

だけでなく、

タンパク質・鉄・亜鉛といった
体を作る材料不足

が背景にあることも少なくありません。

髪のトラブルをきっかけに、
体全体を見直すこと。

それが、
本来の健康へ戻るための一歩になると
私たちは考えています。