アキレス腱炎の原因と治療|福岡市中央区薬院の鍼灸院|吉村治療院
福岡市中央区薬院|鍼・マッサージ 吉村治療院
アキレス腱は、
かかとを起点に「上下から」引っ張られています
アキレス腱炎は、ランニング・マラソン・サッカー・バスケットボール・バレーボール・野球など、走る・跳ぶ動作を繰り返すスポーツで多く見られる障害です。一般的には「使いすぎ」「加齢」「柔軟性不足」と言われ、もちろんそれも一因です。
しかし私は、「なぜアキレス腱へ負担が集中したのか?」を考えることが大切だと思っています。
こんなお悩みはありませんか
- アキレス腱が痛い、走り始めると痛む
- 運動後にアキレス腱が張る
- 朝起きた時の一歩目が痛い
- 整形外科でアキレス腱炎と言われた
- ストレッチをしてもなかなか改善しない
アキレス腱炎とは
アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋・ヒラメ筋が合流してできる人体最大の腱です。歩く、走る、跳ぶといった動作のたびに大きな力が加わります。そのアキレス腱へ繰り返し負荷が加わることで炎症や微細損傷が生じた状態がアキレス腱炎です。初期は運動後だけ痛みが出ますが、進行すると運動中や日常生活でも痛みを感じるようになります。
同じ練習量でも、痛くなる人とならない人がいます
アキレス腱炎の原因として一般的によく言われるのは、ランニング量の増加・ジャンプ動作の繰り返し・加齢・偏平足・合わないシューズなどです。確かに間違いではありません。しかし同じ練習をしていても、痛くなる人とならない人がいます。そこにはアキレス腱へ負担が集中する身体の状態が隠れていることが少なくありません。
ウインドラス機構をご存知でしょうか
アキレス腱炎を理解する上で重要なのがウインドラス機構です。歩行の最後に足趾が反ることで、足底腱膜が巻き上げられ、足のアーチが高まり、足部全体が硬いレバーへ変化します。これによって人間は効率よく地面を蹴り出し、前へ進むことができます。
ウインドラス機構が働かなくなると、アキレス腱にも負担がかかります
本来、歩行時には足趾 → 足底腱膜 → アキレス腱 → ふくらはぎという連動した動きが起こっています。しかし足趾機能が低下するとウインドラス機構が働かなくなります。すると足部は柔らかいままとなり、効率よく地面を蹴ることができません。不足した推進力を補うために、ふくらはぎやアキレス腱が過剰に働くようになります。
足趾が使えない → 足底腱膜が働かない → ふくらはぎが頑張る → アキレス腱へ負担集中
偏平足が、アキレス腱を引っ張り続けています
足趾機能が低下すると足のアーチは低下し、偏平足傾向になります。偏平足になると足底腱膜は常に引き伸ばされた状態になります。そして足底腱膜とつながるアキレス腱も同時に引っ張られ続けます。
私は患者さんへ、「輪ゴムをずっと引っ張り続けている状態です」と説明することがあります。引っ張られ続けたアキレス腱へ、さらにランニングやジャンプの負荷が加われば炎症が起きるのは当然です。
踵重心が、全身の姿勢を崩します
足趾が使えなくなると身体は前へ進む力を失います。その結果、重心は踵側へ移動します。踵重心になると、腓腹筋・ヒラメ筋・ハムストリングス・殿筋群など下肢後面の筋肉が過剰に緊張します。その緊張は骨盤を後方へ引っ張り、骨盤後傾を作り出します。
足趾機能低下 → 偏平足 → 踵重心 → 骨盤後傾 → アキレス腱炎
骨盤後傾が、アキレス腱への負担を増やします
私はアキレス腱炎の方を診る際、必ず骨盤を確認します。骨盤が後傾すると、身体は本来の重心位置を失います。すると前へ進むために、ふくらはぎやアキレス腱が過剰に働くようになります。
骨盤後傾の状態は「バックギアに入れたまま前へ進もうとしている状態」です。前へ進みたいのに身体は後ろへ引っ張られている。その矛盾を筋肉で補うため、アキレス腱への負担が増え続けるのです。
骨盤後傾と、腸腰筋の関係
骨盤後傾がなぜ起こるのか。ここで重要になるのが腸腰筋です。腸腰筋とは、背骨(腰椎)から骨盤の内側を通り、太ももの骨(大腿骨)へと付着する筋肉で、股関節を動かすうえで中心的な役割を果たしています。
伸張反射
骨盤が後ろへ倒れると、腰椎も連動して後弯し、大腰筋は引き伸ばされた状態になります。筋肉には「切れないように縮もうとする」働き(伸張反射)があり、骨盤後傾が続く限りこれが慢性的に起こり続けます。つまり腸腰筋は「短縮している」というよりも、「引き伸ばされ続けているから、身を守るために縮もうとしている」状態なのです。この慢性的な緊張が股関節の動きをさらに制限し、歩行やランニング時の負担を下半身へ集中させます。
お腹と足は、つながっています
腸腰筋はお腹の深いところに位置する筋肉です。当院では、按腹(あんぷく)という手技を用いて、お腹の上から腸腰筋へ直接アプローチすることがあります。お腹の奥にある腸腰筋は、マッサージだけでは十分に触れることが難しい筋肉です。
按腹や鍼治療を組み合わせながらアプローチすることで、骨盤が整い、股関節の動きが改善し、アキレス腱への負担が軽減するケースが少なくありません。「アキレス腱が痛いのになぜお腹を触るの?」不思議に思われるかもしれませんが、この連鎖を解きほぐすことが根本的な改善につながるのです。
かかとを起点とした「上下の綱引き」が起こっています
私はアキレス腱炎を診る際、アキレス腱だけを見ることはありません。かかとの骨を中心に考えると、上には腓腹筋・ヒラメ筋・ハムストリングス・殿筋群が存在しています。一方、下には足底腱膜があります。
骨盤後傾によって下肢後面の筋肉が硬くなると、アキレス腱は上方向へ強く引っ張られます。さらに偏平足やウインドラス機構の低下によって足底腱膜も緊張すると、今度は下方向からも引っ張られます。つまりアキレス腱は、上からも下からも引っ張られている状態になります。私はこれを「かかとを起点とした上下の綱引き」と考えています。アキレス腱炎がなかなか改善しない方の多くは、この綱引き状態が続いていることが少なくありません。
骨で体を支える身体づくり
私が日頃から大切にしているのは、「骨で体を支える」という考え方です。本来、人間の身体は骨格によって支えられる構造になっています。しかし足趾が使えなくなり、踵重心になり、骨盤が後傾すると、筋肉が骨格の代わりに身体を支えようとします。
筋肉ばかりが頑張る状態になると、筋肉は疲労し、硬くなり、やがてアキレス腱への負担を増やします。骨格がしっかり整い、足趾から骨盤まで正しく体重を支えられるようになると、筋肉は本来の「動かすための筋肉」として働けるようになります。アキレス腱炎の再発を防ぐためにも、この骨格から整えることが大切です。
レントゲンやMRIに映らない問題があります
画像検査ではアキレス腱の肥厚・炎症・部分断裂などは確認できます。しかし、足趾機能の低下・歩き方のクセ・ウインドラス機構の機能低下・骨盤の傾き・筋肉の柔軟性までは映りません。私はアキレス腱炎の背景にある身体全体の問題を評価することが大切だと考えています。
当院の施術について
当院ではアキレス腱だけを施術することはありません。身体全体を評価した上で、スポーツマッサージ・指圧・整体・ストレッチ・運動療法・トリガーポイント鍼治療を組み合わせて施術を行います。
特に、以下を丁寧に評価します。
- 足趾機能と足部アーチの状態
- 足底腱膜
- 腓腹筋・ヒラメ筋
- ハムストリングス・殿筋群
- 腸腰筋・骨盤の状態
治療とは「刺激」と「材料」の両方が必要です
身体には本来、自分で回復しようとする力(自然治癒力)が備わっています。しかし、その力を十分に発揮するためには、外側からの刺激(鍼治療・マッサージ・指圧・ストレッチ・運動療法)と、内側からの材料(タンパク質・ビタミン・ミネラル・水分)の両方が必要です。
家づくりで例えるなら、職人だけいても材料がなければ家は建ちません。治療も同じです。身体を修復するスイッチを入れるのが治療。実際に身体を作り直すのが栄養です。
これはちょうど、穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。刺激(治療)でスイッチを入れながら、同時に材料(栄養)でバケツの穴を塞いでいく。この両輪が揃ってはじめて、身体は本来の回復力を発揮できるのです。
日常のセルフケアも大切です
入浴
シャワーだけで済ませず、湯船にしっかり浸かることをお勧めしています。温熱によって血流が改善し、ふくらはぎやアキレス腱周囲の緊張がほぐれやすくなります。毎日の入浴が組織ケアの基本です。
プロテイン・タンパク質
アキレス腱や筋肉の修復にはタンパク質が不可欠です。食事だけで十分なタンパク質を摂ることが難しい場合は、プロテインを活用することも有効です。
睡眠
睡眠中に成長ホルモンが分泌され、腱や筋肉の修復が促されます。過度なアルコールは血流を乱し、睡眠の質を下げ、組織の修復を妨げます。
改善には3ヶ月・8回を目安に
「何回通えばよくなりますか?」患者さんからよくいただく質問です。当院では、まず3ヶ月・8回を目安にお伝えしています。
アキレス腱炎の背景にある身体の状態——足趾機能の低下、偏平足、踵重心、骨盤後傾、筋肉の柔軟性不足——は、長年かけて積み重なってきたものです。また3ヶ月という期間は、セルフケアを習得するための期間でもあります。「難しいことは言わない」「きついことは求めない」。ご自身のペースで取り組めることを一緒に見つけていきますので、安心して臨んでいただければと思います。
治すのは、あなたの身体です
そもそも、身体を治しているのは私ではありません。身体には本来、自ら回復しようとする力(自然治癒力)が備わっています。鍼治療やマッサージ、整体、運動療法は、その力が十分に働けるように環境を整えるための手段です。治すのはあなたの身体です。私はその力を引き出すお手伝いをします。
だからこそ私は、アキレス腱だけを見るのではなく、足趾、足部アーチ、骨盤、腸腰筋、姿勢、歩き方、栄養状態、生活習慣まで含めて評価することを大切にしています。
アキレス腱の痛みが改善することはもちろん大切です。しかし、その先にある「また走れるようになること」「好きなスポーツを続けられること」「痛みなく歩き続けられること」「家族と元気に過ごせること」——そういった人生そのものを支えることが、私の考える治療です。アキレス腱だけではなく、その人の人生を支える「足」を守りたい。その想いで、私は日々の施術にあたっています。
あきらめる前に、一度ご相談ください
「休めば治ると言われた」「何度も再発している」「運動を続けたい」——そんな方は、アキレス腱だけでなく身体全体を見直す必要があるかもしれません。足の健康は、健康寿命につながります。
福岡市中央区薬院の吉村治療院では、アキレス腱炎に対するスポーツマッサージ・整体・指圧・トリガーポイント鍼治療を行っています。痛みのあるアキレス腱だけでなく、その背景にある身体全体の問題を丁寧に評価し、再発しにくい身体づくりをサポートいたします。
鍼・マッサージ 吉村治療院 院長 吉村大樹
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