鵞足炎(がそくえん)の原因と治療|福岡市中央区薬院の鍼灸院|吉村治療院
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「膝の使いすぎ」ではなく、
「なぜ内側に負担が集中したのか」を考えます
鵞足炎(がそくえん)は、ランナーをはじめ、ウォーキング愛好家やスポーツを楽しむ方に多く見られる膝の障害です。しかし私は、鵞足炎を単なる「膝の使いすぎ」とは考えていません。
大切なのは、「なぜ膝の内側に負担が集中したのか?」を考えることです。
こんなお悩みはありませんか
- 膝の内側が痛い
- 階段の上り下りで痛む
- ランニングをすると膝の内側がズキズキする
- 整形外科で鵞足炎と言われた
- 休むと楽になるが、走るとまた痛くなる
鵞足とは
鵞足(がそく)とは、縫工筋(ほうこうきん)・薄筋(はっきん)・半腱様筋(はんけんようきん)という3つの筋肉が、脛骨(すねの骨)の内側に集まって付着する部分を指します。その形がガチョウの足に似ていることから「鵞足」と呼ばれています。
この部分には鵞足包(がそくほう)というクッションがあり、筋肉や腱の摩擦を防いでいます。しかし繰り返し負担が加わることで炎症が起こり、膝の内側の痛みとして現れるのです。
「平日は座りっぱなし、週末だけ頑張る」が危険です
私の臨床経験では、平日はデスクワーク中心で、運動不足解消のために週末だけランニングをされる方に鵞足炎が非常に多く見られます。長時間の座位によって、骨盤後傾・股関節の硬さ・お尻の筋力低下が進行します。
身体からすると、5日間固めておいて週末だけ酷使している状態です。その状態で長距離を走ると、身体は本来の動きを発揮できません。すると膝の内側へ負担が集中し、鵞足炎を発症しやすくなります。
さらに痛みが出ても「運動不足解消のために走らなきゃ」と無理をしてしまう。結果として、こうした負のスパイラルに陥ってしまう方が少なくありません。
痛い → 走る → さらに炎症 → もっと痛い
骨盤後傾が、膝の内側へ負担を集めます
私は鵞足炎の方を診る際、まず骨盤を確認します。骨盤が後傾すると、股関節の動きが制限されます。本来であれば股関節で吸収すべき衝撃やねじれが膝へ集中します。その結果として鵞足部へのストレスが増加するのです。
さらに骨盤後傾の状態で走ると、車でいえばバックギアに入れたまま前に進もうとしているような状態です。身体は本来の推進力を使えず、筋肉の力だけで前へ進もうとします。この過剰な筋緊張が続くことで、鵞足を構成する縫工筋・薄筋・半腱様筋の付着部にストレスが集中しやすくなります。
骨盤後傾と、腸腰筋の関係
骨盤後傾がなぜ起こるのか。ここで重要になるのが腸腰筋です。腸腰筋とは、背骨(腰椎)から骨盤の内側を通り、太ももの骨(大腿骨)へと付着する筋肉で、股関節を動かすうえで中心的な役割を果たしています。
伸張反射
骨盤が後ろへ倒れると、腰椎も連動して後弯し、大腰筋は引き伸ばされた状態になります。筋肉には「切れないように縮もうとする」働き(伸張反射)があり、骨盤後傾が続く限りこれが慢性的に起こり続けます。つまり腸腰筋は「短縮している」というよりも、「引き伸ばされ続けているから、身を守るために縮もうとしている」状態なのです。この慢性的な緊張が股関節の動きをさらに制限し、膝への負担を増やし続けます。
お腹と膝は、つながっています
腸腰筋はお腹の深いところに位置する筋肉です。当院では、按腹(あんぷく)という手技を用いて、お腹の上から腸腰筋へ直接アプローチすることがあります。お腹の奥にある腸腰筋は、マッサージだけでは十分に触れることが難しい筋肉です。
按腹や鍼治療を組み合わせながらアプローチすることで、骨盤が整い、股関節の動きが改善し、膝への負担が軽減するケースが少なくありません。「膝が痛いのになぜお腹を触るの?」不思議に思われるかもしれませんが、この連鎖を解きほぐすことが根本的な改善につながるのです。
お尻の筋肉が働かないと、膝が頑張ります
特に重要なのが、中殿筋・小殿筋です。この筋肉は歩行やランニング時に骨盤を安定させています。しかし機能が低下すると、着地のたびに膝が内側へ入りやすくなります。この繰り返しが鵞足部への摩擦を増やし、炎症を引き起こします。
私は鵞足炎を見る際、膝だけではなく、お尻の筋肉の状態も必ず評価しています。
内転筋群の過緊張が、膝の内側へ負担を集めます
鵞足炎の方を触っていると、内ももの筋肉である内転筋群(長内転筋・短内転筋・大内転筋・薄筋)が非常に硬くなっていることが少なくありません。これらの筋肉は本来、股関節や骨盤を安定させる役割を担っていますが、長時間の座位や運動不足によって股関節の動きが低下すると、過剰に緊張しやすくなります。
特に薄筋は鵞足を構成する筋肉のひとつです。鵞足炎の方を触っていると、薄筋に強い圧痛やトリガーポイントが見つかることも少なくありません。痛みは膝に出ていますが、その原因が内ももの筋肉に隠れているケースもあります。また内転筋群が優位になると、歩行やランニング時に膝が内側へ入りやすくなり、鵞足部への摩擦や負担をさらに増やします。
骨で体を支える身体づくり
私が日頃から大切にしているのは、「骨で体を支える」という考え方です。本来、人間の身体は骨格によって支えられる構造になっています。しかし姿勢が崩れ、骨盤が後傾し、股関節の動きが制限されると、筋肉が骨格の代わりに身体を支えようとします。
筋肉ばかりが頑張る状態になると、筋肉は疲労し、硬くなり、やがて関節への負担を増やします。骨格がしっかり整い、骨で体重を受け止められるようになると、筋肉は本来の「動かすための筋肉」として働けるようになります。鵞足炎の再発を防ぐためにも、この骨格から整えることが大切です。
足趾の機能低下も、見逃せません
私は股関節だけでなく、足趾(足の指)の機能も必ず確認します。足趾には、身体を支える・バランスを取る・地面を蹴るという重要な役割があります。しかし近年は、浮き指・外反母趾・運動不足・靴文化などによって足趾機能が低下している方が少なくありません。
足趾がうまく使えなくなると支持基底面が狭くなり、身体は不安定さを補うために下半身の筋肉を過剰に緊張させます。その結果、大腿四頭筋・ハムストリングス・下腿三頭筋などが硬くなり、膝の内側への負担をさらに増やします。
当院では、足趾を他動的に曲げ伸ばしするセルフケアや足趾機能を活性化させる運動指導も行っています。硬くなった足趾に無理な収縮をかけるのではなく、まず動かせる状態に整えることが大切だと考えています。
レントゲンに映らない原因があります
レントゲンやMRIでは骨・軟骨・半月板は確認できます。しかし、筋肉の柔軟性・股関節の動き・骨盤の傾き・足趾機能までは映りません。
鵞足炎の背景には、画像だけではわからない身体全体の問題が隠れていることがあります。
当院の施術について
当院では膝だけを施術することはありません。身体全体を評価した上で、スポーツマッサージ・指圧・整体・ストレッチ・運動療法・トリガーポイント鍼治療を組み合わせて施術を行います。
特に、以下を丁寧に評価します。
- 腸腰筋
- 中殿筋・小殿筋
- 内転筋群(薄筋を含む)
- ハムストリングス
- 縫工筋・半腱様筋
- 足趾機能と足部アーチの状態
私は40代を過ぎた今も、スポーツを続けています
私は40代を過ぎた現在も、週末には野球などのスポーツを楽しんでいます。だからこそ、「走りたいけれど膝が痛い」「大会が近いから休みたくない」「運動不足解消のために走っている」という気持ちがよく分かります。
身体を動かすことそのものが、健康維持であり、ストレス解消であり、人生の楽しみでもあります。だから私は「走るのをやめましょう」ではなく、「どうすれば長く走り続けられる身体を作れるか」を一緒に考えたいと思っています。
治療とは「刺激」と「材料」の両方が必要です
身体には本来、自分で回復しようとする力(自然治癒力)が備わっています。しかし、その力を十分に発揮するためには、外側からの刺激(鍼治療・マッサージ・指圧・ストレッチ・運動療法)と、内側からの材料(タンパク質・ビタミン・ミネラル・水分)の両方が必要です。
家づくりで例えるなら、職人だけいても材料がなければ家は建ちません。治療も同じです。身体を修復するスイッチを入れるのが治療。実際に身体を作り直すのが栄養です。
これはちょうど、穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。刺激(治療)でスイッチを入れながら、同時に材料(栄養)でバケツの穴を塞いでいく。この両輪が揃ってはじめて、身体は本来の回復力を発揮できるのです。
日常のセルフケアも大切です
入浴
シャワーだけで済ませず、湯船にしっかり浸かることをお勧めしています。温熱によって血流が改善し、腸腰筋や股関節周囲の筋肉の緊張がほぐれやすくなります。
プロテイン・タンパク質
筋肉や腱の修復にはタンパク質が不可欠です。食事だけで十分なタンパク質を摂ることが難しい場合は、プロテインを活用することも有効です。
睡眠
睡眠中に成長ホルモンが分泌され、組織の修復が促されます。過度なアルコールは血流を乱し、睡眠の質を下げ、組織の修復を妨げます。
改善には3ヶ月・8回を目安に
「何回通えばよくなりますか?」患者さんからよくいただく質問です。当院では、まず3ヶ月・8回を目安にお伝えしています。
鵞足炎の背景にある身体の状態——骨盤後傾、股関節の硬さ、足趾機能の低下、筋肉の柔軟性不足——は、長年かけて積み重なってきたものです。積み重なってきたものを解きほぐすには、それなりの時間が必要です。
また3ヶ月という期間は、セルフケアを習得するための期間でもあります。股関節の使い方、骨盤の位置の感覚、日常の姿勢習慣、足趾のケア。これらを少しずつ身につけることで、治療が終わった後も再発しにくい身体が作られていきます。「難しいことは言わない」「きついことは求めない」。ご自身のペースで取り組めることを一緒に見つけていきますので、安心して臨んでいただければと思います。
治すのは、あなたの身体です
そもそも、身体を治しているのは私ではありません。身体には本来、自ら回復しようとする力(自然治癒力)が備わっています。鍼治療やマッサージ、整体、運動療法は、その力が十分に働けるように環境を整えるための手段です。治すのはあなたの身体です。私はその力を引き出すお手伝いをします。
だからこそ私は、膝だけを見るのではなく、骨盤、股関節、足首、足趾、姿勢、栄養状態、生活習慣まで含めて評価することを大切にしています。
鵞足炎の痛みが改善することはもちろん大切です。しかし、その先にある「また走れるようになること」「好きなスポーツを続けられること」「痛みなく歩き続けられること」「家族と元気に過ごせること」——そういった人生そのものを支えることが、私の考える治療です。鵞足炎だけではなく、その人の人生を支える「足」を守りたい。その想いで、私は日々の施術にあたっています。
あきらめる前に、一度ご相談ください
「休めば治ると言われた」「湿布だけで様子を見ている」「何度も再発している」——そんな方は、膝だけでなく身体全体を見直す必要があるかもしれません。足の健康は、健康寿命につながります。
福岡市中央区薬院の吉村治療院では、鵞足炎に対するスポーツマッサージ・整体・指圧・トリガーポイント鍼治療を行っています。痛みのある膝だけでなく、その背景にある身体全体の問題を丁寧に評価し、再発しにくい身体づくりをサポートいたします。
鍼・マッサージ 吉村治療院 院長 吉村大樹
股関節・骨盤の症状
膝の症状
膝の痛み全般 半月板損傷
引っかかり感 オスグッド病
成長期のお子さまに 前十字靭帯損傷
膝の不安定感 内側側副靭帯損傷
膝の内側 ジャンパー膝
膝のお皿の下 ランナー膝
膝の外側 シンスプリント
すねの内側
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