ぎっくり腰は、突然ではないと考えています

福岡市中央区薬院|鍼・マッサージ 吉村治療院

靴下を履こうとした。顔を洗おうとした。くしゃみをした。その動作だけで、腰を痛めたのでしょうか。

当院は、そうは考えていません。それは最後の一押しで、それまでに溜まっていた疲れが限界を迎えた結果だと見ています。

こんなお悩みはありませんか

  • 朝起きたら、腰が動かなくなった
  • 物を持ち上げた瞬間に、激痛が走った
  • 腰が抜けそうな感覚がある
  • 前かがみになると痛い。靴下を履くのがつらい
  • 寝返りができない
  • 過去にも、ぎっくり腰を繰り返している
  • 痛み止めだけで様子を見ている
  • 少し良くなっても、また再発する

「またいつかなるのでは」という不安を抱えている方にこそ、読んでいただきたい内容です。

ぎっくり腰とは

突然起こる強い腰痛の総称です。正式な病名ではありません。「急性腰痛症」とも呼ばれます。

痛みの程度はさまざまで、動けない・起き上がれない・歩くのもつらい、というほど強いこともあります。

本当に、突然だったのでしょうか

「急に痛くなりました」——よくうかがう言葉です。

ですが、本当に突然起こっているケースは少ないと考えています。

靴下を履く。顔を洗う。くしゃみをする。軽い荷物を持つ。こうした動作でぎっくり腰になる方は少なくありません。けれど、その動作そのものに腰を壊すほどの力はありません。

その動作は最後の一押しです。それまでに蓄積していた疲労が、そこで限界を迎えたのだと考えています。

全身の疲れが、腰に出ています

ぎっくり腰は急性の症状として扱われることが多いのですが、当院は「全身の慢性的な疲労の蓄積が、腰に現れた状態」だと見ています。

肩が弱い方もいれば、首が弱い方もいます。そのなかで腰がいちばん負担を受けやすい方は、疲労が溜まったときに腰が限界を迎えます。

それが、ぎっくり腰です。

なぜ、腰が限界を迎えるのか

当院では、次のようなことが関係していると考えています。

  • 長時間の座りっぱなし
  • 猫背
  • 骨盤の後傾
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • 精神的なストレス

これらが積み重なると、筋肉の柔らかさが失われ、血流が落ちます。その結果、腰の筋肉がギブアップした状態として起こることがあります。

原因になる筋肉は、人によって違います

第3腰椎の高さの水平断面図。中央の腰椎と脊柱管を、背中側の脊柱起立筋・腰方形筋、前外側の大腰筋、側面の外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋、腹側の腹直筋が取り囲んでいることを示した図。
腰椎のまわりを、筋肉がぐるりと囲んでいます。

当院では、腰方形筋・多裂筋・脊柱起立筋・中殿筋・大殿筋・腸腰筋などを順に確かめながら、原因を探していきます。

同じぎっくり腰でも、原因になっている筋肉は人によって違います。だから、最初に触って確かめる時間が必要になります。

痛みの原因は、腰だけではありません

ぎっくり腰の方を施術していると、腰以外の場所に原因があることも少なくありません。

お尻、股関節のまわり、太もも、お腹の奥。こうしたところが関係していることがあります。

ですから腰だけではなく、体全体を確かめながら施術します。痛いところだけを押しても、戻ってしまうからです。

腸腰筋が関係していることがあります

横隔膜と大腰筋のつながりを示した図。
腸腰筋(大腰筋)は、横隔膜とつながっています。

繰り返すぎっくり腰の方では、腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)が硬くなっていることがあります。腰椎から股関節へつながっている筋肉です。

ここが硬くなると、こうなります。

  • 腰が伸びない
  • 前かがみになる
  • 腰へ負担が集中する

この筋肉は体の深いところにあるため、背中側からは届きません。そこで当院は、お腹側から触ります。

お腹に、手を当てます(按腹)

仰向けの方のお腹に手のひらを当てている按腹の様子。

按腹(あんぷく)は、お腹のマッサージではありません。

東洋医学では「腹は内臓の鏡」と言われます。お腹の状態から体調を読み取り、全身のバランスを整えるための場所と考えられてきました。

お腹にやさしく触れながら、筋肉や内臓まわりの緊張をゆるめ、血流と自律神経の働きを整えていく手技です。腸腰筋は深いところにあるので、一般的なマッサージでは状態を確かめることすら難しい筋肉です。

腸腰筋は、横隔膜とつながっています。

按腹で腸腰筋がゆるむと、横隔膜もゆるみやすくなり、深い呼吸ができるようになることがあります。「施術のあと、呼吸がしやすくなった」とおっしゃる方がいらっしゃるのは、こうした理由かもしれません。

トリガーポイントへの鍼

うつ伏せの方の腰から背中にかけて鍼を打っている施術の様子。

腰方形筋・多裂筋・脊柱起立筋・中殿筋・大殿筋・腸腰筋。ぎっくり腰ではこうした筋肉が関わっていることがあります。

鍼は、皮膚や表層だけでなく、深いところの筋肉まで届きます。状態を確かめながら、必要な筋肉にアプローチします。

鍼が苦手な方には、鍼を使わない施術で対応しています。あん摩マッサージ指圧などの手技だけで進めますので、ご相談ください。

急な痛みのときに、やらないこと

痛みが強い時期は、刺激の量を抑えます。無理に動かすことはしません。

そして当院では、瞬間的に関節を動かすような矯正は行いません。すでに限界を迎えている体に、もう一度強い力を入れることになるからです。

動けないほどの痛み、足に力が入らない、しびれが強い——こうした場合は、先に医療機関の受診をおすすめすることがあります。鍼ですべての腰痛に対応できるとは考えていません。

なぜ、繰り返してしまうのか

痛みが落ち着いたことと、原因が整ったことは、別です。

実際に、年に何度も繰り返す方がいらっしゃいます。

バケツの穴を、塞ぐことが先です。

猫背、骨盤の後傾、運動不足。ふだんの姿勢や体の使い方、生活習慣は、バケツに穴が空いた状態です。施術は、そこへ水を注ぐ作業です。いくら時間とお金をかけて水を注いでも、穴が空いたままなら、せっかく戻った状態もまた流れていきます。

ですから当院では、施術だけでなく、姿勢や体の使い方もお伝えしています。

痛みがなくなった=整った、ではありません

ぎっくり腰の強い痛みは、数日から数週間で落ち着くことがあります。ですが、痛みが引いたことと、原因が改善したことは別です。

長時間の座り方、骨盤の後傾、猫背、体の使い方の癖、腸腰筋の緊張。これらが残っていれば、疲労はまた同じように溜まっていきます。そして一定の期間ごとに、また繰り返すことになります。

「繰り返すもの」と、諦めないでください

「毎年ぎっくり腰になる」「数年に一度は必ずなる」という方が来られます。

当院は、ぎっくり腰そのものが持病なのではなく、ぎっくり腰を起こしやすい体の状態が残っていることが問題だと考えています。

過去に何度も繰り返していた方でも、施術と体づくりに取り組み、その後月に1回ほどのメンテナンスを続けることで、何年も起こしていない方がいらっしゃいます。

骨で支える体へ

座った姿勢の方の骨盤に手を当てて、姿勢を確認している様子。

本来、人の体は骨格で支えられるようにできています。

筋肉に頼りすぎる体から、骨で支える体へ。その移り変わりを、施術とセルフケアの両方からお手伝いしています。

姿勢の見かた、座り方、体の使い方。ご自宅でできることもお伝えします。

刺激と、材料

当院は、施術は「刺激」と「材料」の両方が揃って初めて成立すると考えています。

たんぱく質、ビタミン、ミネラル。どれだけ良い刺激を入れても、修復するための材料が足りなければ、体は十分に回復できません。

外側からの施術と、内側からの栄養。その両方を大切にしています。

ぎっくり腰について、よくいただくご質問

Q.なった当日でも診てもらえますか。

A.お受けできる場合があります。ただし急性期は刺激量を抑え、無理に動かすことはしません。まずお電話かLINEで状態をお伝えください。動けないほどの痛み、足に力が入らない、しびれが強いといった場合は、先に医療機関の受診をおすすめすることがあります。

Q.ぎっくり腰になったら、安静にしたほうがいいですか。

A.痛みが強いときに無理をしないことは大切です。ただし長い期間まったく動かないことが、必ずしも良いとは限りません。状態に応じた対応が要りますので、ご相談ください。

Q.どれくらいで回復しますか。

A.症状の程度によって変わります。期間をお約束することはできません。そのうえで、早めに始めたほうが回復を支えやすい場合があります。

Q.繰り返すぎっくり腰も診てもらえますか。

A.はい。むしろ、そういう方にこそお越しいただきたいと思っています。繰り返す理由を見つけることが大切なので、姿勢や体の使い方も含めて確かめます。

Q.鍼は痛くないですか。鍼が苦手なのですが。

A.髪の毛ほどの細い鍼を使っています。多くの方が「思ったより痛くなかった」とおっしゃいます。苦手な方には、鍼を使わない施術で対応していますので、ご相談ください。

Q.何回くらい通えばよいですか。

A.長く続いている腰の痛みの場合、3か月で8回が一つの目安です。必ず8回という意味ではありません。途中で落ち着いて、残りをメンテナンスに切り替えられる方もいらっしゃいます。強引に予約をお取りすることはありません。

Q.継続治療はなぜ必要ですか?

A.人間の身体は急激な変化を好みません。長年かけて形成された不調は、一度の刺激で完全に変わるものではありません。一定期間、適切な外的刺激(鍼・手技)を重ねていくことで、筋緊張の正常化・関節の柔軟性向上・自律神経の正常化・姿勢の改善などが徐々に安定していきます。これが「体質が変わる」プロセスです。

最後に

ぎっくり腰は、単なる突然の腰痛ではありません。その背景には、長い時間をかけて溜まった疲労と、体の使い方があります。

「ぎっくり腰は繰り返すもの」と諦める必要はありません。原因をていねいに探して、一つずつ整えていくことで、体は変わることがあります。

鍼・マッサージ 吉村治療院 院長 吉村大樹

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